懐かない猫はかわいくない?
おちゃゆとけん坊を捕まえてうちに連れてきてから今日で4年です。
(正確に言うと、けん坊を捕まえたのは翌日でしたけど。)
先日の病院騒ぎで最悪になったかと思われたおちゃゆとの関係も
意外とあっさりプラスマイナスゼロのところまで戻れたのですが
そうは言ってもまだおさわり禁止なおちゃゆ。
(未だかつてシャーすら言われたことはないけど、逃げます。)
「そんなにいつまで経ってもなつかない子って、かわいいの?」
と、時々聞かれます。
特に犬を飼っている人、飼ったことがある人には信じられないようです。
(そして、そういう気持ちも十分わかります。)
ならば、お答えしよう。
猫様は猫様であるだけで
尊いし、かわいいのである。 (=^・^=)
猫の社会化期は生後2週齢~9週齢だと考えられています。
色んな事を受け入れられるこの期間に人間と触れ合わずに過ごした猫は、
その後一生人間に懐かなくなる可能性は大いにあります。
(もちろん、性格や環境、経験、親猫の遺伝等々個体差もあります。)
最初にあの子たちの姿を見たのは、おちゃゆが推定2か月半、
けん坊が推定6か月半のころで、とうに社会化期は過ぎていて
私(人間)の姿を遠くから見かけただけですたこらさっさと逃げていました。
ましてや、あの子たちの母猫かーちゃんは全く人間に慣れていない生粋の野良猫。
「一生触れんのかもな~。」ということは承知の上でうちに連れてきました。
だから、むしろおちゃゆが未だに触れないのは想定内で、
けん坊が文太級のスーパーマザコン野郎になったことの方が想定外だったのです。
(メスよりもオスの方が甘々ちゃんになる子が多いそうです。)
最初はそんな事情や当時の文太と幸多・ちびのことを色々考えると
うちに迎え入れるつもりはありませんでした。
とりあえず寝る場所を提供して餌付けをし、うちのガレージに住まわせて
しかるべき時が来たら不妊手術だけは絶対にしようと思っていました。
でも、
雪が積もって凍てつく極寒の冬の朝、
雷鳴がとどろく嵐の夜、
野良猫のケンカの声がする度、
ああ、あの子たちは大丈夫だろうか。
濡れてはいないか。
寒くはないか。
ひもじくはないか。
怖い思いはしていないか。
他の猫にやられてないか。
何かにつけて色々心配で心配で
何度も何度もガレージに様子を見に行く日々。
いつもごはんをあげに行く時間に姿が見えないと
あちこち探し回ったことも一度や二度ではありません。
(まぁ、たいがいそのうち何食わぬ顔で戻っているのですけど。)
そんな些細な事で一喜一憂する日々が数ヶ月続き
「もうイヤや。こんな心配するの!もう捕まえる!うちに連れてくる!」
そう決意して色々準備を整え、満を持して捕獲決行したのが
4年前の今日です。
「自分が可愛がってなつかせるため」ではなく
自分がこれ以上(勝手に)心配する生活をしたくなかったから、
私はあの子たちをうちに連れてきました。
だから、
たとえおちゃゆが他の子たちみたいにすりすり寄って来てくれなくても、
たとえ『普通の飼い猫』みたいになでなでできなくとも、
雨の日も
雪の日も
強風が吹く日も
台風の日も
灼熱の太陽が照りつける日も
安心できる家の中でのほほんと暮らしてくれて
美味しそうにごはんを食べて
楽しそうにはしゃいで遊んで
お気に入りのベッドで満足そうに眠る。
毎日そんな姿が見られるだけで
うちにいて何不自由ない生活をしてくれるだけで、
下僕は最高に幸せなのです。
猫様は猫様であるだけで、
どうしようもなくかわいいのです。
「想定外」のオトコ。(笑)
そもそも、おちゃゆは確かに触れないけど
「なついていない」わけではないと思っているのです。
ヒトにも「繊細さん」がいるように、
おちゃゆも他の猫よりソーシャルディスタンスが必要な「超絶繊細さん」なだけで。
触られるのは怖いしいやだし、ある一定の距離以上に近づくと逃げるけど
「近づいてOK」ラインと「繊細猫さんのルール」を守れば、逃げずにじっとしています。
ゆっくりまばたきをして愛情を伝えれば、まばたきを返してくれます。
他の子とは違うおちゃゆのやり方(おちゃゆの『ことば』)でごはんの催促もします。
一緒に遊んでもくれます。
他の子とは程度とスピードが違うだけで、
ちゃんとおちゃゆも私のことは認めてくれていると信じています。
みんなと比べて「なついてない!」って言うのは失礼だよにゃ~。
それもおちゃゆの個性なのだ!
とは言え、ですよー。
やっぱり触れないとこないだみたいに病院に連れて行くのも一苦労だし
今後年をとるにつれ色々健康上の心配も出てくると思うので
「このままでいい」とは決して思っていなくて
これからも無理せずほんのちょっっっっっっとずつでも
近づけるように努力はし続ける所存でございます。