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文太部長一家のロハスな毎日

フレブル文太と6にゃんず(幸多、あゆみ、ちび、健、さゆり、漱石)の楽しい毎日

About us

*長男:フレンチブルドッグ 文太部長*
2020年4月29日 お空に転勤

*次男:茶トラ猫 幸多(こーた)*

*長女:白グレー猫 あゆみ*
2017年5月18日 お空に転勤

*三男:サバ白 ちび(Tibby)*

*四男:サバ白ブチ けん坊(健)*

*次女:ハチワレ おちゃゆ(さゆり)*

*五男:白黒ちょびヒゲ 漱石*

旅立ちの時 (ちびのリンパ腫まとめ 最終回)

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前日、夕日を見た後二階に連れてきたら、自ら寝室の窓際のお気に入りスポットに行き、そのまま夜までそこにいました。

ちびは元気な時からこれまでずっと「自動ゴロゴロ機か!」というぐらい、私が触れたとたんに大音量でゴロゴロ言う子でした。具合が悪くなってからも、「ちびくん。」っていうと必ず高音で「んー!」と返事をしてくれて、すぐゴロゴロ言ってくれました。

そんなちびが、その日の夜寝る前には返事もできなくなり、ゴロゴロも耳をすませばかすかに聞こえる程度になっていました。



2021年4月25日 ((リンパ腫治療開始後94日)

夜中の録画を確認すると、落ち着かない感じで寝室とリビングの間をあちこちうろうろしていて、早朝私が起きたときにはリビングの冷たいタイルの床で寝ていたので、慌てて寝室のいつも寝ていたベッドに移動させました。

ここ数日、寝たり起きたりで頭を寝かせて熟睡することは少なくなっていたのだけど、

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6:50 この日は久しぶりに頭を横にして寝ていました。


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いや、寝ていたというよりももう頭を上げる力が残っていない感じでした。




「ああ、今日なんや。」




直観的にそう思いました。


その日は日曜日で休みだったこともあって、今日と言う日はもうできる限りずっとちびのそばにいようと思い、先に主のごはんや他のにゃんずの色々用事を済ませていると

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7:09 キャットタワーの下に移動し、ここで寝ていました。

ここは固くて寝にくいだろうと思ってベッドに戻しましたが、


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7:40 またふらふらとこちらに下りてきて、そのまま倒れこむように横になりました。

何度かベッドに戻したけど、なぜかそのたびにここに戻って来るので、
ちびの意思を尊重してここで寝かせてあげました。


もういよいよなのかとしばらくそばで寄り添っていましたが、
案外普通に寝ているだけだったので、まだ大丈夫なのかと思って
その間にとりあえず朝食の洗い物をすませてしまおうといったんキッチンに戻って
カメラでちびの様子を見守りながら洗い物をしていました。


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あゆちゃんに見守ってもらいながら。



8:52 それまで横になって寝ていたちびが突然頭をぐーっと伸ばして体をそらせるようにしたので、慌ててそばに行って抱き上げるともう首に力が入らず呼吸がちょっとだけ荒い状態。

「ちびくん、大丈夫。おかあはんここにいるよ。
何にも心配することないよ。」


膝に抱いて話しかけていると、そのうち顎を上下に動かして呼吸する『下顎呼吸』が始まりました。口を魚のようにパクパクさせるような呼吸です。

前に紹介した本によると、下顎呼吸は『最終の着地態勢に入った印』であり、この下顎呼吸が始まると(人間では)残された時間が24時間程度で、病院なら「ご親族を呼んでください」と言われるタイミングなのだそうです。

でも、ちびの場合はこのままとてもじゃないけど24時間も残っている気がしなかったので、気がつけば自分の思いのたけを泣きながら叫んでいました。


「ちびくん、今までよーがんばったな。えらかったな。
ありがとうな。おかあはん、ちびくんのこと大好きやで。
ちびくん、えらかったよ。いっぱいがんばったな。
しんどいのにいっぱいいっぱいがんばってくれてありがとうな。

もう大丈夫やで。
もうしんどいのもなくなるからな。
またいっぱい食べられていっぱい遊べるようになるからね。
もうすぐあゆちゃんと文ちゃんにーちゃんに会えるよ。
何にも心配することないよ。

ちびくん、今までいっぱいいっぱいありがとうな。
うちの子になってくれてありがとうな。
ちびくんはおかあはんの宝物やで。
大好きやで。」


それまで毎日何万回も言ってきたことばを
何度も何度も繰り返しました。

もう意識は朦朧としていて聞こえているかどうかはわからないけど、
精一杯の愛情と、精一杯の感謝をただただ伝えたくて。
私の最期のことばがちびには届いていると信じて。


しばらく荒かった呼吸がだんだん遅くなってきて
はーっと息を吸い込みました。
多分、あれが最期だったのだと思います。

8:55am
目が開いたままだったので正直いつ息が止まったのかわからなかったのですが
最期は苦しむことなく私の腕の中で眠るように穏やかに旅立っていきました。

多分、あゆみと文太が迎えに来てくれたのだと思います。





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エンジェルタイム (ちびのリンパ腫まとめ 29)

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2023年4月24日 (リンパ腫治療開始後93日)

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5:40 朝一は窓際。


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8:25 自力でタワーを登って上のハンモックへ。上のハンモックにいるのは久しぶり!


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9:25 ハンモックからキャットタワー真ん中のボックス内へ。


この後、そらのまやリビングをあちこちうろうろ。

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12:20 これまたものすごく久しぶりに小屋裏!あの階段まだ登れたんやとちょっとびっくり。


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15:50 リビングにいたので


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しばらくそばにいてなでなで。


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しばらくなでなでした後、うつらうつらし始めたのでそばを離れて
洗い物やらなんやら用事をしていました。


そして、気づいたらちびがいなくなっていたので、寝室に戻ったのかと思ったけどおらず。
そらのまにも小屋裏にもキッチン上にもいなくて少々パニックになりながら
まさかと思いつつ1階に見に行ったら


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16:40 いた!!いつぶりかも覚えてないぐらいものっすごく久しぶりに下に来ていました!


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ちびくん、えらい元気やないのー!


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大好きだった玄関でごろんごろんも!


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それまでの日課が全部戻ってきました。



この日は亡くなる前日。

朝からどこからともなく何か生臭いような何かが腐ったようなニオイがしていて
何のニオイかな?口のニオイ?と思って嗅いでみたけどニオイの元はわからず。

今から思えばあれがいわゆる「死臭」やったんやろな、とわかるし、
今こうしてちびの行動を思い返すと、最期に家の中の全部に行きたかったんやろな。
あれは旅立つ前の大切な時間、『エンジェルタイム』以外の何物でもなかったのだと思う。

でも、あの日の私はちびが元気(?)になってあちこち行けるようになったのがただただ嬉しくて、
もしかして、ごはんを食べないことでガン細胞を兵糧攻めにして自分でやっつけたんじゃ?
(ガン細胞とて栄養が入ってこなくなれば死ぬんじゃ?)

っていうことは、もしかしたらしばらくしたらまたごはんを食べられるようになって
ちびくん、奇跡の復活を遂げるんちゃう!?

と、割と本気で思い始めていました。



『エンジェルタイム』という言葉を知っていて、
亡くなる前にふっと元気になってお別れをする時間があることもわかっていて
昔、実家の犬にもそういう体験をしたことがあったのにも関わらず
あれが『エンジェルタイム』なのだとは、なぜかあの時はつゆとも思いませんでした。

飼い主にそう思わせず、幸せな気持ちにさせてくれるのも
『エンジェルタイム』の特長なのかもしれません。



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18:35 さすがに70センチの台の上にはジャンプできなかったので、


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抱っこで乗せてあげました。


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しばらく満足そうに眺めていたので


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そうや、と思いついてこっちの窓にも連れてきました。


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幸多とふたり、久しぶりにここからの景色を眺めていました。


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18:45 そうこうしているうちに夕日がきれいだったのでまたこっちに連れてきたら


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ここのお水も久しぶりに飲みました。


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この日の夕日は本当に美しかった。


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「キレイやなぁ。」そう言いながら同じように外を見ているちびをなでなですると、


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それに返事をするかのようにゴロゴロ喉を鳴らすちび。


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そのうち幸多と漱石もそばに来ました。


次々に空の色を変えながら沈む夕日を
みんなで一緒に眺めるだけの贅沢な時間。

「ああ。キレイなぁ。しあわせやなぁ。」


何も考えず、いいことも悪いことも本当に全く何も考えず
ただただぼーっと美しい夕日を見ながら
ちびがゴロゴロ喉を鳴らす心地よい音を聞いていると
静かに心が凪いでいくのを感じました。



ちびが病気なこと。
もう何日もごはんを食べていないこと。
もうすぐ召されるであろうこと。
これまでの後悔。
この先の不安。

これまでずっと抱えてきたそういうネガティブなことが、
あの瞬間だけはなぜだかきれいさっぱり頭の中からなくなって、
過去も未来も全部どうでもよくて、
『今』この瞬間、ちびと一緒にいられること。
それがただただ幸せでした。

あんなに心が穏やかになれたのは、
ちびがリンパ腫と診断されてから初めてのことでした。




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ちびの闘病生活を振り返ると今でも辛いことばかりなんですが、
みんなで最後に夕日を眺めていたあの時間だけは、
心から満ち足りたあの瞬間だけは、今でも私の宝物です。

それは多分、抗がん剤を無理やり続けていたら、
「治すこと」に躍起になってちびの「声」を聴かなかったら
あの最期の幸せな時間は訪れなかったんじゃないかなぁ、と思う。

ちびは生きるのをあきらめたのではなく、
最期までちびらしく「生き切った」のだ、と
今ではそう信じています。


死期が近い猫の兆候 (ちびのリンパ腫まとめ 28)

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ちびが旅立つ数週間前から数日前、今から思えば「死の前兆」とでも思えることがいくつかありました。


前回までに書いたことで言えば下記のようなことです。

※食べられる量が日に日に減っていって、とうとう全く食餌を全く受け付けなくなった(亡くなる5日前)

※食べる量が減るとともに筋力が急激に落ちて、今まで普通に登れていたところ(棚の上など)にも力が足りず行けなくなった

※動き回らなくなって、行動範囲が狭まった

※睡眠が浅くなって、熟睡しているというよりうつらうつらしている時間が増えた



そして、いよいよ完全絶食から最期の4日間。
私にとっては意外にも思えることも起こりました。



2021年4月22日 (リンパ腫治療開始後91日)

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朝、寝室にいなかったので探すとなぜか風呂場の前のバスマットにいました。


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相変わらず窓際ベッドはお気に入り


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寝室から外見学。


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また窓際。


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夜中の録画を見直すと、トイレの前でじっとしていたことが何度かあったので
もしかしてトイレ(にしている衣装ケース)を跨げないのかも?と思って
即席でスロープもどきを作りました。


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気づけば外にいました。

※目が吊り上がってキツネ目になってくる

少し前から顔つきが変わって来ていたのですが(痩せたせいかと思っていたけど)、
これも死期が近い猫の特長のようです。


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※最期は寝たきりになるのかと思いきや、なんだか逆に元気になってくる

前日まではほぼ終日寝室で動けない感じだったのに、ごはんを全く食べなくなってからの方がまた動き回るようになりました。エンジェルタイムの前段階的な?

昨日ご紹介した本によると、医学的には『低いところで全身のバランスが整った状態」なのだそうです。



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夜も外に行きたがったので、漱石も一緒におとも。


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※飲水量が減る
それまで水だけはものすごく飲んでいたのに、完全絶食になってからは水を飲む量(回数)も減りました。

※粗相をする
この時、このまま風呂場でおしっこをしました。出てしまったという感じでもなく、トイレに行くのがめんどくさかった感じでもなく、あまり何も考えずにした、と言う感じ。

この後も何度か寝ていたところに漏れてしまったことがありました。


※尿の色がものすごく濃くて(オレンジっぽい)、口の中(歯茎)や耳の辺りも黄色くて黄疸が出ている

猫に黄疸が出るのは、胆汁中のビリルビンという色素によって、皮膚や粘膜、血液が黄色に変色してくることが原因で、肝臓の病気のことが多いそうです。

猫は絶食が続くと肝リピドーシスという肝機能障害が起こるおそれがあります。なので、猫には「食事抜きのダイエット」は絶対にしてはいけないことで、食べられないことが続くと本来絶対に放っておいてはいけない、すぐに病院に行かなくてはいけない症状です。

ちびもこのとき食べていないことでおそらく肝リピドーシスになっていたのでは、と思っています。

そうなると「これはさすがに、病院に行ったほうがええのか!?」とものすごく迷いました。もしかしたらまだ生きられるかもしれないのに、ガンじゃなくて肝不全で死ぬんか??と。

また迷い始めて考えあぐねて平穏死やガンについての色んな本を改めて読みなおしました。

「がんが増え続ける細胞である以上、いずれは転移した細胞が増えて、生命を維持するために必要な臓器の機能を低下させ、命を失う」(がんを告知されたら読む本 専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい“がん [ 谷川啓司 ]より)、つまりガン治療をやめ、着地点に向かう以上は、肝不全になるのもある意味必然なのかとも思い・・・

何よりもこんな状態で病院に行ったところでできることと言えば点滴ぐらいなこと、そしてその点滴こそが旅立とうとしている者を苦しめる元凶になるということ。


「食べられなくなると血液中のたんぱく質が減少し、血管の中の水分などが外に漏れだして皮下にたまり、むくみが出現します。しかし本来であればこのむくみが症状として現れる前に、やせてしおれ、枯れたようになり、やがて亡くなっていきます。これがいわゆる『老衰』と言われる死に方であり、僕が考えるもっとも自然でつらくない人間の生き方であり死に方です。ところがここで点滴をしてしまうと体内は水分過剰な状態になり、さらにむくみが進みます。(中略)肺がむくめば呼吸状態が悪くなり、腹水がたまればおなかの膨張感や不快感が出て苦しくなります。(中略)少しでも症状を軽くしたりするためにも、点滴で余分な水分を入れない方がよいのです。」(穏やかな死に医療はいらない (朝日新書) [ 萬田緑平 ]より)

「よくあるのが意味のない点滴です。実は病院でも在宅でも、何も打つ手がなくなったとき、医師が『点滴をしよう』ということがあるのです。医師に悪気はありません。治すことが使命である医師としては、『なんとかしてほしい』という家族の思いを受けて、『何もできません』とは言えないのです。(中略)けれども、死につつある人にとっての点滴は、むくみや痰の増加を引き起こしてしまうことがある(中略)自分たちの希望のために、死にゆく人に負担を強いるのは、酷だと思うのです。」(死にゆく人の心に寄りそう 医療と宗教の間のケア (光文社新書) [ 玉置妙憂 ]より)


黄疸は出ていてもちびは苦しそうじゃない。
病院に行って点滴をしたら逆に苦しめるだけなんや。

歯を食いしばってそう思いとどまりました。



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※冷たいところ、水場のあるところにいたがる

暑くないのに冷たいところにいきたがるのは、おそらく低体温のせいです。体温が下がると気温が高くなくても暑く感じて、冷たいところに行きたがるそうです。(雪山で遭難した人が服を脱ぐことがあるそうですが、それと同じ状況です。)これも本来なら即病院に行った方がいい症状です。

水場に行きたがるのは猫特有?原因ははっきりとはしませんが、死期が近い猫の特長でもあるようです。



※すごく甘えるようになる
いつも私が寝る前にはちびのマッサージをして、おやすみと大好きを行ってから寝ていたのですが、おやすみ前のなでなでに行くと、そのままくっついて布団で一緒に寝るようになりました。(これは亡くなる前日までの日課となりました。)



2021年4月23日 (リンパ腫治療開始後92日)

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なんと、朝一久しぶりにキッチンの上の窓際にいました


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ここまで登れたことにびっくり。


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それからも、あちこちうろうろ。


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あれ?食べてないわりになんか元気やん?


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爪とぎまでやっちゃって。


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あゆ大明神がついてくれてるおかげかなぁ。


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ありがとね。



ごはんを食べなくなったらもういよいよ覚悟の時だと思っていたのに、
予想に反してどんどん元気に?よく動くようになっていきました。

病院に行かなくてよかった。
無意味な点滴をしなくてよかった。


「死にゆく人の心に寄りそう」 (ちびのリンパ腫まとめ 27)

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2021年4月21日 (リンパ腫治療開始後90日)

早朝、いつものように窓際ベッドに移ろうとしたけど筋力が落ちているので力が入らなかったようで、台を踏み外して落ちた音で飛び起きました(私が)。

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早速即席で階段を増やして飛び上がらなくても楽に登れるようにしました。


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窓際はちびのお気に入りの場所のひとつだったので、


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それを奪いたくなくて。


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この日はあまり力が入らなくなってきたのかそれまでよく寝ていた小屋裏にも行かず終日寝室にいて、とうとう何をあげてみても食べなくなり完全絶食になりました。




抗がん剤治療をやめてから、近い将来いつかはこんな日がくるのはわかっていたはずなのに、いざ本当にそうなってしまうと激しく動揺しました。

先のことを考えるとどうしても涙が出てきてしまうので、「ちびがいてくれる今」に集中してあまり先のことを考えないようにしていたから、なんとなくこのままずっといてくれるんじゃないかと言う気持ちがどこかにありました。そんなわけはないのに、こんな状況になってもそのうち元気になってくれるんじゃないかと心のどこかで夢見ていました。


そんな自分に「泣くな!!」と毎日喝を入れ、最期の時に備えて何がなんでも臨終の際にはそばにいるために、これから旅立つちびに起こることを知りたくて、緩和ケアや平穏死に関する本を何冊か買いました。(犬や猫に関するものはなかったので人間のものですが。)

その中で一番心に響いたというか、一番助けられた本がこちら。



ガンのご主人を自宅で看取った際の死にざまの美しさに開眼し、その後出家して僧侶になった現役看護師が著者です。

ご自身が医療従事者であったために、病院で治療を受けさせないことに周りからの非難の声も少なからずあったようですが、それでも最終的にはご主人の強い希望で自宅で看取ることを決めたそうです。

私はちびの死後、魂が抜けたみたいに何もやる気が起こらなくなってしまって、しばらくは起き上がるのもやっとな感じになりました。

猫と人間では比べ物にならないぐらい、おそらく想像を絶するほど大変だったと思うのですが、病院で治療をせずに自宅でご主人を看取った後死生観が変わり、死にゆく人とその家族の気持ちに寄り添うために僧侶になられたということがごく自然の流れだったということは、私にはすごくわかる気がするのです。

私の場合は自分の無力さをイヤと言うほど感じ、人間のチカラを超えた何かにすがりつきたくて、毎日助けを求めて拝みたおしたのが、神様や仏様ではなくて文太とあゆちゃんでしたけれども。(笑)


この本には、私が知りたかった「死にゆく人の体と心に起こること」が書かれており(宗教的な意味ではなくて、医学的なことです)、もちろん猫と人間では違うだろうけれども、ちびにこれから起きるであろうことを知識として知っておくのに役立ちました。

ですが、それ以上に私の心の拠り所となったのが、残される家族の「大切な人の死に直面した人の心に起こること」です。

それはそれはもう、「え?私のこと書かれてる?」って思うぐらい、あの当時の自分に当てはまることばかりでした。



私はちびの抗がん剤をやめること、
病院にはもう二度と行かない、ということを自分で決めました。

何度も何度も色んな考えが行ったり来たりしながら
色んな方向から色んな可能性を考えてみたけど
抗がん剤治療の効果が出ていないのに
嫌がるちびの気持ちを無視して無理やり治療を続けることが
正しいこととはどうしても思えなかった。

たとえ抗がん剤治療を続けて、2か月寿命が延びたとしても、
その2か月間ちびが苦しむだけなら、意味がない。
それならもうちびの好きなことだけをさせてやりたい。
たとえそれがちびの寿命を縮めることになったとしても。

何度考えてもそういう結論にしかならなかったので、
治療をやめて二度と病院へも連れて行かないと決めました。

そして、それはちびの希望でもあったと今でも信じています。


それでも、何かあるたびに「やっぱりもう一度病院に行こうかな。」と何度も思ったし、いつでも気持ちは揺れ動いていました。

ごはんを全く受けつけなくなったちびを目の当たりにすると、やっぱり何かもっと方法があったのではないか、と自分の選んだ道が正しかったのか疑問に思うようにもなりました。今病院に連れていけばもうちょっと長く一緒にいられるのかも、と迷いもしました。


そんな私の気持ちを受け止めてくれて、理解をしてくれて、味方をしてくれて、「大丈夫、ただ一緒にそばにいるだけでいいんですよ。」とやさしく背中を押してくれたのがこの本でした。(この本を読んでいなければ、最後ちびを病院に連れて行って後悔してたかも、と思う。)



私は「起こったことはすべて、起こるべくして起こったこと」であり、「終わったことはすべて、よかったこと」だと、いつも申し上げます。そう思い、自分を許していいのです。
死にゆく人の心に寄りそう 医療と宗教の間のケア (光文社新書) [ 玉置妙憂 ]より抜粋)

この言葉にどれほど救われたことか。


こうして、これからやってくる臨終に向けての心構えを教えてもらいました。


「愛してる」を伝えたい (ちびのリンパ腫まとめ 26)

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2021年4月15日 (リンパ腫治療開始後84日)

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毎日めげずにちょっとずつ、ちょっとずつごはんチャレンジ。


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数日リビングにすら来ず寝室とそこから続く猫部屋@小屋裏ばかりにいるので
昼間窓をあけてそらのまに誘うも来ず。

この日は前日よりも更にごはんの量が減った代わりに、水だけはものすごくよく飲んでいました。



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夜、小屋裏から下りて来たのでリビングのドアを開けると5日ぶりぐらい?
にリビングから洗面所へ!


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それから、昼間は来なかったそらのまへ。


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ごろんごろん♪ 




今までは当たり前すぎて気にも留めなかったことが、
できなかったりやらなかったりすると胸が締め付けらて涙が出そうになるのをこらえ
そうかと思えば、またやってくれると嬉しくて、ありがたくて、
涙出そうになるの必死にをこらえる。


こんな小さいことでいちいち動じるな!!
ドンと構えとけ!!!


と、自分自身に日々言い聞かせてはいるけど、
ちびの一挙手一投足に感情がゆさぶられる毎日でした。



●この日のごはん
とろリッチ 2本と半分 7.5kcal
ニュートロパテ 6g = 6.72kcal
ちゅーる 1本 = 8kcal
Felix 4g = 3.08kcal
健康缶エイジングケア 1g = 1kcal
シーバごちそうフレーク 4g = 2.28kcal
合計 28.58kcal



2021年4月16日 (リンパ腫治療開始後85日)

また夜中眠れていないみたいで、起きている時間の方が多い。

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でも、この日は昼過ぎ、そらのまへ。


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ごろんごろん。


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気持ちいいねぇ。


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ちびくんのペースでね。



●この日のごはん
とろリッチ 2本 6kcal
ニュートロパテ 8g = 9.2kcal
ちゅーる1本 7kcal
合計 22.2kcal
体重 4.3kg 食べていないわりに劇的には減ってない(10日前から変わらず)



2021年4月17日 (リンパ腫治療開始後86日)

それまでなんとか食べてくれていたとろリッチすらも口元に持っていくとえずいて逃げるようになってしまった。ほとんど食べられなかったけど、結構眠れてはいる様子。


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寝室でなでなでをしていて、眠りそうだったのでそっと離れてリビングに来ると
こっちに来てくれた。


とにかくちびのために何かしたくて、毎日ちびの大好きなブラッシングやローラー鍼、
ホットストーンマッサージ、手でなでなで、ちびが喜んでくれる限りありとあらゆることをやりました。

もちろん、少しでも嫌がるそぶりをすれば即やめましたけど、
少なくともゴロゴロ言ってくれている間は大切なふたりの時間を出来る限り共有しました。


「ちびくん、大好きやで。ちびくんはおかあはんの宝物やで。」


まるでそれがこの世につなぎとめておける呪文であるかのように、
毎日毎日繰り返し繰り返し言い続けました。



●この日のごはん
とろリッチ 1.5本 4.5kcal
にゅーとろパテ 4g = 5kcal
Felix 7g = 5.81kcal
合計 15.31kcal



2021年4月18日 (リンパ腫治療開始後87日)

相変わらず食べられない上に、食べようとしてもうまく嚥下ができなくなってきているのか、少しでも形のあるものは口に含んでも飲み込めずにぽろぽろこぼれるようになってきた。


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とにかく毎日おかあはんの愛を伝え続ける。


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外に出られなくても、外の空気は楽しめるように窓を開けて。


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お水だけはよく飲んでいると思っていたけど、よく見たらお水もあまり飲み込めていない様子。
すごくちょっとずつぺろぺろしていました。


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ホットストーンマッサージ。



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とろリッチがえずいて食べられなくなった代わりに現れた救世主。
なんでも試してみるもんや。


●この日のごはん
ニュートロパテ 7g = 7.84kcal
Felix 3g = 2.49kcal
とろリッチ 1本 = 4kcal
金のだしクリーム 4g = 3.32kcal
合計 17.65kcal

食べられない代わりに、終日ほぼ寝室でよく寝るようになってきた。



2021年4月19日 (リンパ腫治療開始後88日)

ごはんをとうとう少量なめるぐらいしかできなくなってしまった。

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けど、そとに出てきてここでもお水。


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お外暖かいねぇ。


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お風呂場でもお水。


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あゆ大明神に見守ってもらいながらホットストーン。

「何かしたい」のがちびのためなのか、自分のためなのかわからないけど
何もせずにはいられない。


●この日のごはん
金のだしクリーム 5g = 4.15kcal
とうとうこれだけになってしまった。



2021年4月20日 (リンパ腫治療開始後89日)

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ほぼ終日寝室。


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それでも、横になって眠っている姿を見るとホッとする。


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夕方、これをひとなめ。これが生前口にした最後のものになりました。